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2025 12月


12月2日 勉強時間が足りていないだけ

何度も書いていることですが、高校では勉強をしても直ぐに成績は上がりません。

高校では一定以上の知識や経験が溜まった状態でないと、1つの問題が解けないからです。

中学校までは少し勉強をしたらテストの点数が上がるのは、1つの問題を解くために必要な知識と経験が少なくて済むからです。

逆の視点で見れば、高校では成績が下がるときはあっという間に下がります。

これは問題を解くために5つの要素が必要だとして、そのうちのどれが欠けていても問題が解けないからです。

下がるときはどれか1つの要素が欠けていても下がるのに、上げるときは全ての要素が揃っていないと上がらないから、勉強をしているはずなのに成績が全然上がらないと感じるのです。

高校の勉強で行き詰る人の多くは、毎日努力し続けることが出来ていません。

成績が上がらないと相談をしてくる生徒で、学校や塾で現在学習している内容以外の復習を毎日している人は一人もいません。

そこを直さない限り、今の状態のまま大学入試を迎えることになります。


12月3日 考え方のポイント

昨日、今日と高校1年生は復習を行いました。

次の土曜日から授業を再開する予定です。

復習の内容は数学Uで学習する基礎的な計算で、出来ると思っていても実際に解いてみると意外と苦戦します。

特に、この分野の授業を塾で受けていない途中入塾の生徒は苦戦していました。

学校で習っていても考え方のポイントが身についていないようだったので、補足の説明をすると以降はスムーズに問題が解けていたので、要点を掴む力が強い生徒だなと感じました。

教えるときに意識していることですが、問題を解くときは解き方を覚えるのではなく、内容の本質を理解して欲しいと思っています。


12月4日 高校2年生以降の途中入塾について

最近、途中入塾のお問い合わせを何件かいただいています。

例年、12月〜4月にかけて高校2年生(新高校3年生)のお問い合わせをいただくのですが、12月以降の入塾は大学入試を考えるとかなり遅く、高校3年生の4月以降の入塾は面談時にしっかりと考えていただくようにお願いしています(入塾をおススメしないこともあります)。

当塾の指導計画では、理系は高校2年生の12月から「数学V」の授業を開始して高校3年生の6月には終わります。

これは一般的な公立高校よりも早いペースなので、高校3年生になってからお問い合わせをいただいても学習進度が合いません。

また、文系は既に数学TAUBCの授業を全て終えていて、これから半年ほどかけて全分野の復習を行います。

これまでの指導経験から、大学入試問題を解くために必要な全分野の復習は通常6ヵ月程かかります。

そして、文系理系ともに高校3年生の6〜7月から本格的な入試問題の演習を始めるのですが、基礎的な内容が身についていないと演習をしても学力は伸びません。

そういう状況で入塾をしてもプラスにならないので、高校3年生以降の入塾は慎重に考えていただきたいと思っています。


大学受験は気づいた時には手遅れになっている場合があります。

当塾に通うかどうかは関係なく、出来るだけ早く入試に向けた勉強を始めてください。


12月6日 論理的思考力を身につける

数学を何のために勉強するのかと高校生に聞くと、大学入試で使うからと答えることが多いでしょう。

もちろん大学入試に使うためではあるとしても、大学以降の人生を考えて論理的思考力を身につけるためにも数学を勉強して欲しいと思っています。

論理的思考とは「客観的に物事を考える」「根拠に基づいて考える」という思考です。

高校の数学は必要最低限の知識を身につけ、それらを用いて論理矛盾が起こらないように問題を解いていきます。

直接数学を用いない仕事でもこれらの考え方が身についていれば、問題解決までの道筋が立てやすくなります。

また、人生においての意思決定をする場面において、より良い選択肢を選ぶことの出来る確率を上げられるようになると思います。

人間は感情を持った生き物なので、全ての局面を論理的に解決することは出来ないのですが、身につけているといないとでは、物事の見え方が大きく変わってきます。

数学を通じてこうしたことを身につけてもらいたいと思っています。


12月7日 嬉しい連絡

昨年も送ってくれたのですが、卒業生が就職した会社の商品を今年も送ってきてくれました。

物を送ってもらわなくても、連絡をくれるだけでもとても嬉しく思います。

連絡をすると、今年度は部署が変わり昨年より忙しくて難しい仕事内容になったけれど、やりがいがあって楽しいと言っていました。

苦労することや辛いことがあっても、それ以上にやりたいと感じられる仕事に出会えた人は幸せだと思います。

関わった生徒がどういう生き方を選んで、どのように頑張っているのかを聞くのはとても楽しいです。

気が向いたときにでも、卒業生は連絡をくれると嬉しいです。


12月8日 マーク演習の目的

高校3年生は共通テストに向けてマークタイプの問題演習に入りました。

この演習の目的は「問題形式に慣れる」「持っている実力で点数を最大化する」です。

記述の演習で実力十分に感じる生徒でもマークタイプの試験では点数が伸び悩むことがあります。

これの主な原因は問題形式が特徴的だからです。

記述式の問題は自分で解き方が決められるのに対して、マークタイプは解き方を要求されます。

自分が普段用いる解法と別の解き方を要求されると戸惑いますし、1つの問題を2〜3パターンの解き方で解かされることもあるので引出しの多さを求められます。

こうした問題は様々なパターンの誘導に乗る練習をしておかないと安定しません。

そして、問題に慣れること以上に大切なのが、制限時間内に点数を最大化する意識です。

センター試験では数学が得意な生徒は90〜100点を目指す問題でしたが、共通テストでは数学が得意な生徒でも80点以上を目指す問題に変わりました。

当然、数学が苦手な生徒はセンター試験と比べると点数を取るのが難しくなっています。

そういう状況の中で点数を最大化するためには、得点しやすい基本的な問題を解いた上で、時間をかければ解けそうな問題に時間を投入するべきです。

言葉にすると簡単でも、制限時間内にどの問題が解けるのか判断するのは難しく、時間の使い方を意識して取り組まないと上達しません。

時間を計って行うマーク演習は上記を目的としているので、理解して練習に取り組んでもらいたいと思います。


12月9日 マーク演習の注意点

昨日の日記でマーク演習を行う目的は「問題形式に慣れる」「持っている実力で点数を最大化する」と書きました。

ここで理解しておいてほしいのは、マーク演習の目的に「学力を上げる」は無いということです。

マーク演習を繰り返して点数が上がったり安定したとしても、それは慣れによる効果であって学力が上がっているとは限りません。

学力を上げるためには、忘れている知識や内容を復習して定着させなくてはなりません。

また、直ぐには解けない問題に対して時間を区切らずに考えて、理解を深めたり思考力をつける必要があります。

マーク演習で学力をつけようと思ったら、時間内に解けなかった問題を時間無制限で解き直したり、忘れていた内容を復習しなくてはいけません。

試験本番が近づいてくると、こうした勉強の基礎が抜けてしまう場合があるので、試験直前まで勉強のフォームを崩さないように気をつけましょう。


12月11日 大学入試問題を解くときの心構え

高校2年生文系講座は入試問題を解くときの心構えを身につけてもらうために、復習と合わせて添削も行っています。

一番始めに身につけてほしいのは「採点者に伝わるように書く」ことです。

大学入試では答えが合っていることだけを評価されるのではなく、どのように考えたのかを評価されます。

答えや解き方が合っていても、どのように考えたのかが正しく採点者に伝わらなければ評価が低くなります。

問題を解くことは、自分の考えを正しく表現することだと意識してもらいたいと思います。


次に大切なのは「本番を想定して練習する」ことです。

例えば、大問1に(1)(2)(3)と小問があり(1)が解けない場合、(2)(3)を考えずに白紙で提出する生徒がいます。

しかし、良く見れば(1)が解けていなくても(2)(3)が解ける場合もあります。

練習のときからこうしたことを想定していないと、本番でも同じことが起こります。

また、(2)が証明問題でそれを用いて(3)を解く場合、(2)が証明出来ていなくても(3)で用いて問題を解いて構いません。

こういう場合、(3)は値を代入するだけで簡単に解けることもあるので、これを知っているかどうかで大きく点数が変わります。

こういうことを練習から意識して取り組んでもらいたいと思います。


あとは「数式を正しく書く」ことも身につけてもらいたいです。

数式を書くときに縦横無尽に書いている生徒がいますが、採点がしにくいですし、生徒自身も見直しがしにくいはずです。

数式を変形するときは上から下に書くのが基本で、数式の繋がりが無い時は「次に」「また」など言葉を入れます。

そして「または」の関係の複数の式は並列に書くのが一般的です。

逆に言えば、数式を変形するときに並列に書くのは一般的ではありません。

こうしたことをあまり注意されておらず意識していない生徒は、答案が非常に見難く計算ミスも多発する傾向にあります。


大学入試までに上記のようなことを身につけられるように、時間をかけて指導していきます。


12月13日 無限大

高校2年生理系は今日から「数学V」の「極限」に入りました。

この分野では新たな概念である「無限大」を取り扱います。

「無限大」を厳密に定義することは難しいため、高校数学では感覚的に捉えて議論を進めることになります。

厳密に「無限大」を取り扱うとなると大学数学の範囲となり、初学者が理解するにはハードルが高すぎるからです。

現時点では、この分野は問題を解いて慣れによる理解で対処したので良いと思っています。

納得が行かない部分もあるかもしれませんが、
厳密な定義を行うと「1+1=2」や「-1×(-1)=1」などの証明も非常に難しいものとなるので、まずは処理に慣れることを目的として構わないと思います。

どうしても掘り下げて勉強をしたい人は、インターネットなどで調べてみるのも良いでしょう。

そこには高校の数学とは異質な数学の世界が広がっているはずです。


12月14日 虚数の導入

高校1年生は「数学U」の「複素数と方程式」に入りました。

この分野では「虚数」の概念が新たに出てきます。

昨日の「無限大」と同様に「虚数」は日常には現れない考え方になるので、数学における発想の自由や抽象化の面白さを感じられる内容になります。

始めは「虚数」の処理に戸惑うかもしれませんが、大抵の場合は直ぐにルールを受け入れて慣れると思います。

これから問題を解いていく上で、教科書であまり触れられない内容が大切なることがあるので、そういう部分を伝えながら少しずつ理解を深めてもらいたいです。



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