2025 11月
11月2日 飛ばしてはいけない内容
11月になり、高校1年生の授業は「数学U」に入りました。
始めの単元は「数学T」と被っている数式の計算になります。
「数学T」で一度習っているので、出来るということにして飛ばしたくなる内容なのですが、当塾では飛ばしません。
というのも、一度習っているといっても出来ない生徒が多いことを知っているからです。
実際に授業をしてみると、すんなり解ける生徒はそれほど多くありません。
学校によっては、一回授業をしているしそれほど難しくないからここの内容は飛ばすこともあるかもしれませんが、その言葉を鵜呑みにしないようにしましょう。
全て解けるという生徒も、速度と精度を上げるために基礎的な計算練習をすることは無駄ではありません。
大学入試の合否を分けるのは、こうした基礎部分の積み重ねなので飛ばさずに練習をしましょう。
11月3日 学力がついてきてます
これまで20年以上高校数学の指導をしてきて、各単元の内容は深く理解しているつもりで、授業を行う前には準備もするので、間違いを教えることはほとんど無いと思っています。
それでも100%とは言い切れないため、授業を受けていて疑問に思ったことや、おかしいと思ったことがあれば言ってほしいと伝えています。
今日の高校3年生の演習の授業で生徒が指摘した内容が正しく、私が事前に考えていたことが不十分だったと分かりました。
生徒にこのような学力がついてくると刺激になりますし、緊張感を持って授業が出来ます。
私にとっては反省点ですが、こちらの言うことを盲目的に信じずに疑えるだけの学力がついていることが嬉しかったです。
これから大学入試本番までに更に学力を伸ばしていってもらいたいと思います。
11月4日 文系は全分野修了しました
高校2年生のB講座は今日の授業で「統計的な推測」が修了しました。
これで数学Vが不要な生徒は大学入試で用いる全分野の授業が修了しました。
次回の授業から11月末までは「ベクトル」「統計的な推測」の復習を行い、12月の定期考査明けから全分野の復習を行う予定です。
ここから6ヶ月かけて全分野の基礎〜標準レベルの定着と、大学入試に必須の手法の確認をしていきます。
これを行うことで、難易度の高い問題演習をするときに理解しやすくなり、学力が伸びると考えています。
理系で数学Vを用いる生徒は、数学Vを学びながらそれ以外の分野の復習を行う必要があります。
高校3年生になってから大学入試の勉強を始めると手遅れになることが多いので、高校2年生は入試に向けた勉強は既に始まっていると考えて頑張りましょう。
11月6日 ちょっとしたこと
当塾では生徒が問題に取り組むときに、意識して指導していることがあります。
実際に、今日の授業では以下のようなことがありました。
・ 練習問題を解くときに1問毎に答え合わせをしていない場合、1問毎に答え合わせをするように伝えます。
これは、間違いが定着して学力が下がることを防ぐためです。
・ 答え合わせをして間違っていたときに、赤ペンで直している生徒にはシャーペンで解き直すように伝えます。
これは、赤で直すと答えを写すだけになってしまいがちなので、もう一度考えて解き直すためです。
・ 答え合わせをして間違っていたときに、間違いを全て消そうとしたり、見直さずに0から解き直そうとしていた場合、どこがどのように間違っていたのかを確認するように伝えます。
これは、自分がどのように間違っていたのかを知るためと、自分の解答を客観的に見て入試本番でミスを見つける能力を高めるためです。
・ 問題の解き方ではありませんが、自分で解けると思う基礎的な問題でも反復練習をするように伝えます。
これは、入試本番で点数に直結するのは基礎計算の精度と速度だからです。
こうしたちょっとしたことを正しく行う習慣をつけることが学力向上に大きな影響があると考えています。
11月8日 学力が高い人は指摘されます
大学入試の記述式の試験において「どのように書くか」「どこまで書くか」は、答案を見てもらって練習しないと上達しません。
大学の採点基準は公開されていないのでこれで大丈夫という保証はありませんが、大半の大学で点数が与えられる答案にするために私が重視している点は「論理的な破綻が無いか」「違和感なく読めるか」ということです。
数学の試験では答えが1つに定まるものが多いので、答えが合っていれば良いと生徒は考えがちですが、答えがあっていたとしても正しく論理が述べられていないと点数が与えられません。
添削をしていると数式だけしか書かない生徒が多く、説明のための言葉を書くように伝えても、中々出来るようになりません。
常々言っていることとして、答案は数学が苦手な人が読んだときに理解できるようなものに仕上げることが理想です。
また、生徒の答案を見ていると、数式の繋がりが分かりにくかったり、成り立つのか不明なことを補足無しで用いていることがあります。
解答を読む人に「何故この式が現れたのか」「何故これが成り立っているのか」と違和感を感じさせないような書き方が大切です。
これらのことを意識して答案を仕上げるためには問題が解けることが前提なので、指摘されるようになったら学力がついてきたということです。
11月9日 毎年同じことを思っています
現在、高校1年生の授業は「数学U」の分数式や恒等式における計算を扱っています。
事前の準備で今日はこれ位は進めたいと考えていても、生徒に解かせてみると意外と手こずったり、処理速度が遅かったりして想定よりも授業が進みません。
これは生徒の学力が低いということではなく、この時期の高校生の処理能力はこの位で、毎年、去年もそうだったと思い出しています。
この分野は計算をするだけだから大したことがないと感じても、生徒にとっては時間をかけてやらなければならない内容です。
ここで手を抜かずに練習をすると、計算速度が上がり今後の学習がスムーズに進むようになります。
しっかり練習をして、来年の今頃は成長したなあと感じさせてもらいたいです。
11月11日 時間はありそうで、あまり無い
高校2年生のV講座は、あと少しで「数学C」の内容が全て終わります。
数学V講座と言っても「数学V」に入るのは12月からで、今後のスケジュールと取り扱う内容を説明しました。
すると、生徒から「大学入試までに時間が足りなくないですか?」という意見が出てきました。
生徒が感じているのは正しくて、数学に限らず大学入試に向けた勉強は基本的には時間が足りません。
多くの中高一貫校の学習計画が中学内容が2年、高校内容が4年となっていて、分量や難易度を考えると適正だと思います。
公立高校の生徒は4年分の学習内容を3年分に圧縮して学ぶ必要があるので、普通にやっていては間に合いません。
実際、ほとんどの公立高校の授業計画では大学入試までに入試問題を解けるようになるための演習量は確保できません。
こういう現実を高校3年生の11月に気が付いたのであれば手遅れになるでしょうが、高校2年生の11月に気が付いたのであれば、これからの取り組み方次第で間に合う可能性が高くなります。
早く気づけたことを活かして頑張ってもらいたいと思います。
11月12日 志望校の選び方
先日、高校2年生の生徒から学校に志望校を提出しないといけないのだけど、どこの大学を書いたらいいか分からないし、何学部が良いのかも分からないと相談を受けました。
今の時期の高校2年生の進路希望は適当に書いて提出したのでも構わないと思いますが、真面目な生徒は適当なことが出来なかったりしますし、そろそろ本気で考えたいと不安になる気持ちも分かります。
まず、自分のやりたいことや興味があることが明確な場合は学部を考えて、その学部がある大学を調べれば良いと思います。
現時点の学力に適した大学を基準に、それより少し難しい大学と少し簡単な大学を書くと良いのではないでしょうか。
どの大学が自分の学力に適しているのか分からない場合は、身近にある愛媛大学や四国の大学または岡山大学を基準にするのが良いと思います。
今回相談された生徒のケースは興味のある学部が無いというものでした。
これが悪いということは無くて、受験する大学の可能性が広くなり、自分に適した大学学部を探しやすくなって良いと思います。
こういうケースの場合は、受験科目から大学学部を探してみるのが良いと思います。
共通テストは全科目を受験するとして、国公立大学の2次試験で自分が使えそうな科目から大学を探します。
例えば「数学」だけで受験するのならどういう大学学部があるのか、「英語・数学」「数学・理科」ならどうかなど、こういう調べ方が有効だと思います。
受験科目で検索した大学学部の中から興味の持てそうなものを探してみると、良いと思える大学がすんなり見つかることがあります。
この探し方が有効なのは、自分の得意科目で受験出来ることが確定していることです。
どんなに自分が行きたいと思う大学だったとしても受験科目が苦手科目のみの場合は合格の可能性が低くなります。
実際、共通テスト後の受験校選定では受験科目で決めることが多かったりします。
高校2年生で志望校の選び方が分からない場合は、このように考えてみてはどうでしょうか。
11月14日 自分の軸を作る
当塾の授業進度は大学入試から逆算して計画を立てています。
そのため学校の授業とは内容が一致していませんし、学校の成績もあまり気にしていません。
学校の成績は、進級や卒業に影響しないように点数が取れていれば構わないと考えています。
当塾はこのような考えですが、出来れば生徒自身も学校の成績より大学入試に照準を当てて取り組んでもらいたいと思っています。
大学入試に向けた自分で行う勉強は特別なことではなく、基礎〜標準レベルの内容が定着するように学校の課題などとは別に復習をするということです。
学校の授業進度や定期考査の点数を気にしている生徒は、学校で与えられる課題しかやらない傾向があるように感じます。
そういう生徒は時間が経つにつれ抜けている内容が増えてきて、勉強をしているはずなのに成績が下がっていきます。
復習が出来ていて余裕があるのなら、学校の授業よりも先に勉強を進めたり、難易度の高い問題に取り組めば良いです。
これまで難関大学に合格した生徒を思い出すと、学校の進度を無視して自分で勉強している生徒がほとんどです。
大学入試は高校入試と比べると人によってやるべきことが違うので、自分に必要なことは自分で考えていくことが求められます。
当たり前のように感じるかもしれませんが、出来ていない生徒が多いので、普段の行動を振り返ってもらいたいです。
11月15日 公式よりも大切なこと
今日の高校1年生の授業で、ある公式を使うと直ぐに解ける問題の解説を行いました。
その公式を教えていませんが、参考書などの模範解答はその公式を用いて解くように載っています。
一応聞いてみると覚えている生徒は一人もいませんでした。
授業では公式を覚えていなくても、基本的な式変形を行えば答が出せる解法を説明しました。
模範解答が正しいと思い込んでしまうと、その解法以外を考えられなくなったり、解き方をただ覚えるという勉強になりがちです。
高校数学では使用頻度の低い公式を覚えるよりも、汎用性が高い処理方法を身につけることが大切なので、当塾では不要だと感じる公式は教えないようにしています。
問題を解いていて分からないときに模範解答を見るのは構いませんが、あくまでも自分が考えるための補助材料として用いるようにしてもらいたいと思います。
11月17日 順調です
高校2年生V講座は今日の授業で「数学C」の「式と曲線」が終わりました。
これで数学TAUBCの全分野の授業が終わりました。
1週間後に考査がある学校が多いので、考査が終わるまでは復習とテスト勉強にして考査終了後から「数学V」の授業に入る予定です。
授業計画よりも1ヶ月ほど早いペースで進められているのでかなり順調です。
このように早く進めておくと復習や演習の時間が多く取れるので、学力がつきやすくなります。
理解が出来ていない状態で次々と進めてはダメですが、理解が出来るギリギリのスピードで進めておくことで大学入試では有利になります。
早く進めている利点を活かして、しっかりと復習をしてもらいたいと思います。
11月18日 整数問題
高校3年生は12月からマーク演習を行います。
ということで11月末で記述の演習は一区切りとなります。
現在は問題の難易度をかなり上げているので、余裕で解けるという生徒はほとんどいません。
その中でも、生徒が苦戦していることが多いのが「整数」の問題です。
「整数」の問題が難しい理由として、他の分野と比べて問題をパターン化し辛いため、始めに何をしていいのかが分かりにくい点があります。
実際、難しい問題だと解答が白紙になったり、見当違いの方向に向かっていることが良くあります。
第一歩目の考え方やどういう点に着目するのかを説明していますが、完全に分類化をすることは不可能なので、問題への慣れと自分で頭を働かせる習慣をつけるしかありません。
難易度が高い大学になるほど「整数」を出題する頻度が多くなる傾向があるので、高校2年生で難関大学を志望している生徒は少しずつでも演習をしておきましょう。
11月19日 予定通りです
高校1年生は今日の授業で「数学U」の第1章「式と証明」が終わりました。
これから定期考査が終わるまでは復習とテスト勉強をして、考査終了後から第2章の内容に入ります。
「式と証明」の分野で扱う不等式の証明は苦手にする生徒が多いです。
理由は昨日の日記に書いた整数と同じで、何をすれば解けるのかが分かりにくいからです。
整数と違って問題をある程度はパターン化出来るのですが、パターン数が多いため何を用いたらよいのか判断できるようになるためには十分な演習量が必要になります。
また、出題頻度は少ないもののパターン化できないものもあるため、そういう問題への対応が非常に難しいです。
今回学習したのは5〜6パターンなので、まずはこの形を処理できるように頑張って練習してもらいたいです。
11月22日 12月の予定表
12月の予定表をTOPページにアップしました。
高校3年生はマークタイプの演習が主となりますが、講座によっては少しだけ記述演習も行います。
これは共通テストの数学で出題されない分野に1ヵ月以上触れなくなるのを防ぐためです。
高校1、2年生は学校によって定期考査の時期がズレているので、早く終わる学校の生徒は12月初週に復習を行う予定です。
各自、自分の置かれている状況の中で精一杯頑張ってもらいたいと思います。
11月24日 定期考査期間の対応
もうすぐ定期考査の学校が多いので、授業をストップして復習やテスト勉強をしています。
定期考査中の授業は、数学の勉強が不要で他教科に時間を使いたい生徒は塾に来なくても良いとしています。
逆に、数学が不安な生徒は授業時間以外にも来て良いとしています。
また、難易度や問題のタイプなど出来る限り要望に応えてプリントを配布します。
各自の状況に応じて、塾を上手く使って学力をつけてもらいたいと思います。
11月25日 良くない教材
「数学B」の「統計的な推測」は存在はしていたものの、旧課程で選択する生徒は極一部でした。
それが新課程となり、共通テストで「数学UBC」を受験する文系の生徒はほぼ必須になりました。
また、理系の生徒は受験では必須ではありませんが学校の授業で取り扱うようになりました。
生徒の様子を見ていると、学校では教科書ではなく小冊子の問題集を用いて授業をしているところが多いように思います。
ところが、この分野の授業を行うようになったのがこの2年位なので、出版社によっては内容が間違っていたり、生徒が混乱するような表現をしているものがあります。
学校で問題集を注文するとき、全ての問題を見てから決めているわけではないので仕方が無いと思いますが、実際に使っておかしいと感じたのであれば来年から別のものに変えるか、出版社に間違っていることを伝えるべきだと思います。
市販の問題集は内容や解答が全て正しいというわけではなく、間違っているものも混ざっています。
生徒が自分で判断をするのは難しいでしょうから、購入するときは実績のある出版社のものを選ぶのが無難です。
11月26日 センスの弊害
人によって走る速さが違うように、勉強も身につくまでの早さは人によって異なります。
才能というと大げさになるので、ここでは勉強をして理解や身につくのが早いことを『センスがある』という良い方をします。
勉強のセンスは全ての勉強に同様に適用することは出来ず、難易度や量によって発揮出来るかどうかが変わります。
小学校や中学校の勉強は内容も量もそれほどではないので、少し勉強をしただけで理解して定着する場合があります。
この時期にセンスで乗り切ることに慣れてしまうと、高校で苦労する可能性が高くなります。
高校では中学までに比べて圧倒的に学習量が多くなるので、センスに頼って中学までと同じ勉強量で乗り切ろうとしても内容を定着させることは出来ません。
また、内容が複雑になるため、センスで乗り切ろうとしても正確に理解が出来ていない場合が少なくありません。
中学までは勉強が出来ていたのに、高校に入ってからついていけなくなったという生徒はこうした状況に陥っている可能性があります。
逆に、中学までは直ぐには理解、定着ができなかったけれど学習量でカバーしていたという生徒は、高校に入ってから伸びることがあります。
当塾ではセンスの有無に関わらず、一定以上の学習量を確保するように指導しています。
高校に入ってから成績が急激に下がった人は、中学の時と比べて1日当たりの勉強時間が増えているのかを振り返ってみましょう。
11月28日 テストが終わった日に勉強する
学校によって定期考査の日程が異なり、今日がテスト最終日の学校がありました。
テストが終わったら、解放された気持ちになって遊びに行く生徒が多いでしょう。
それが悪いことだとは言いませんが、テストが終わった日に勉強をするとテストの内容がより定着しますし、勉強をしない生徒に差をつけることが出来ます。
今日は数名の生徒がテスト終了日にも関わらず、塾に来て復習をしていました。
こういう努力が大学入試に必ず活かされると信じています。
11月30日 共通テストまで残り48日です
12月5日まで定期考査中の学校があるので、高校1、2年生はそこまでテスト勉強か復習を行い、12月6日から授業を再開します。
高校3年生は12月3日からマーク演習を行う予定です。
今年も残り一ヶ月となり、高校3年生はここから更に一日が早く過ぎるように感じると思います。
ただ、どんなに大学入試が近くなっても焦らずに「出来ないことを出来るようにする」「忘れたことを覚え直す」という基本を貫きましょう。
急に難しい問題ばかりを解いたり、新しい方法を試しても良いことはありません。
入試本番まで同じ姿勢で勉強をし続けることで精神的に安定し、良い結果になる可能性が高くなると思います。
大学入試の試験を全て受け終わるか、進学先が確定するまでは同じ心境で過ごしましょう。
令和7年11月30日現在の進度状況
1年生 数学U・・・「式と証明」まで修了
2年生B 数学UBC・・・修了
2年生V 数学C・・・「複素数平面」「式と曲線」まで修了